不登校に漢方薬!!
不眠症・漢方療法
平成16年に行われたあるアンケート調査によりますと、20歳代〜60歳代の各年代の男女100名ずつ、計1000名のうち、なんと約6割もの人が睡眠に関する悩みや不快感を持つそうです。
不眠は、神経症や更年期の人だけでなく、極度に疲労したときや、急性病を患った場合でも起こります。しかし、不眠で悩むほとんどは、心因性によるものと言われています。
漢方では、催眠剤にあたるものはありません。しかし、不眠症に対して、大変高い効果をあげています。では、どう考えているのか説明してみましょう。
漢方では、こういった心因性の疾患は、「肝」と「腎」との関係が深いと考えています。俗に、「カンがたかぶる」と言われるように、「肝」の機能が失調すると、「気」が頭に上り、眠れなくなるのです。このような人の場合、夢もイライラするようなものや火に関係したものを多く見ます。また、「肝」は、「血」との関係があり、「肝」の機能が失調すると、「血」がさわぎ、イライラします。「腎」が弱まった場合には、恐れ、恐怖、不安などの感情が多く現われ、そのために、眠れなくなるわけです。
このように、「肝」や「腎」に働きかけるもの、いいかえれば、精神や血液の循環、水分代謝など全身的なバランスを整えることを目的として、漢方薬が選択されます。そうして、全身的なバランスがよくなれば、自然な眠りにつけるようになります。
また、冷えが強く、そのために眠れなくなる人のための漢方薬もあります。
[参考]不眠症の食事療法・民間療法
不眠症の著効例
日中に活動して、夜はしっかり眠る。これが、健康な人の通常の生活リズムです。
ところが複雑な仕組みの社会に生きている現代人の中には、ストレスや過労により
身体が疲れきって、神経が亢ぶり過ぎた為に不眠症を起こす方が増加しております。
<不眠症のタイプ>
1.入眠障害
床についてから寝るまでに1時間以上の時間を要する場合をいいます。
2.早朝覚醒
普段より朝早く目が覚めてしまい、それから眠れないケース。睡眠維持障害のひとつ。
3〜4時頃に目が覚めることもあります。
3.熟眠障害
眠りが浅く、夜中に何度も目が覚めてしまい、睡眠時間が長いわりには熟睡感がないタイプ。
悪夢を見るケースが多い。
以下に、当堂に、「不眠」でご相談され、漢方薬が著効した症例をご紹介致します。
<相談内容・現状況>不眠症にてご相談。
寝つきが悪く、早朝覚醒があるとのこと。
病院に行ったところ、精神科にまわされ向精神薬、睡眠薬を処方された。
最初は、病院の薬を服用すれば睡眠できたが1ヶ月、2ヶ月経過していくと昼間も眠れなくなり、薬の量、強さも上がっていき、恐くなり漢方薬の服用を決めたとのこと。
ご相談に来られた時は、睡眠できない為に、体力、気力共に喪失していました。
寝れないことがストレス
となりイライラもあるという。病院の薬と自家製漢方薬の加味帰脾湯を30日間併用してもらいました。
昼寝が出来るようになったとのこと。
その後、自家製漢方薬の加味逍遥散、竜胆シャ肝湯を併用し、夜睡眠出来るようになり、病院の薬も徐々に退薬しています。
初回ご相談時、6種類あった精神科のお薬が、1年経過した現在、2種類(うち1種は頓服)に減りました。
不眠と一言で言っても、原因、実際の症状は人それぞれです。自分の症状に合った漢方薬を
ご相談して下さい。元気堂では、無料相談を行っています。お気軽にご連絡下さい。
春は、イライラ、不眠、不安、自律神経失調症にご注意!
漢方では、春は肝(かん)の季節と言われ、俗に「カンが高ぶる」ようになります。この肝とは、現代医学的に説明すると、自律神経を指します。
普段から、ストレスや悩み事などを抱えている方は、春のこの季節に調子を崩しやすくなります。すると、イライラ、不眠、不安、などの自律神経失調症に悩まされたりします。
現代医学では、中枢神経を強制的に抑制したり興奮させたりする薬を用いて治療します。神経を強制的に引っ張ったり、縮めたりするのですから、体に歪みが出ることも当然あります。
漢方薬の場合は、自然の生薬を用いており、薬が効いてくれば自然と不快な症状は改善していきます。新薬に特有の副作用や習慣性を気にすることは全くありません。
−養生法−
・自分に合ったストレスの解消方法を見つけて、気分をリフレッシュしましょう。
・運動不足の場合には、適度な運動をしてみましょう。
最初は、散歩程度から始めるのがよいでしょう。
病気の知識 〜ストレスと心の病〜
ストレスの背景には、コンピューター社会による競争、女性の社会進出など、社会全体の変容があります。
心の病には、こうした背景だけでなく、生活習慣や人間関係・環境の変化なども大きく影響しています。
適度なストレスは、心身の発達には欠かせない刺激剤となりますが、不快な刺激を強く受けたり、小さな刺激でも長く続くと心身に不調を生じることがあります。
■コンピューター社会による競争
社会全体に機械・コンピューターが導入され、能率や合理化が重視され、精神的な緊張を強いられることが多くなりました。
それにともない、人間関係が希薄になっています。
■女性の社会進出
女性が、管理職についたり、総合職で働くようになったことで、嫁・姑問題や育児の悩みなどの家庭内の問題だけでなく、男性と同様のストレスに悩む傾向が増加しています。
■運動不足
運動はストレスを解消するのに、かなり効果があります。
自動車やエスカレーターなどの普及によって、歩くことも少なくなっています。
■生活習慣の乱れ
夜遅くまで残業、眠るのが遅い、朝はギリギリまで眠りたいから朝食は抜く。昼は簡単にすませる。
など、睡眠や食事といった基本的生活習慣の乱れが増加しています。
■人間関係
社会は、上司・部下・同僚、夫婦、男女、親子など、人間同士のつながりで成り立っています。
この関係にストレスが生じると大きな問題になります。
■仕事
不景気でのんびりしていられない時代です。
そのため、過酷なノルマを強いられることもあります。
こうした状態が続くと、ストレスがたまっていきます。
■自尊心の喪失
この不景気で、人事異動、リストラなど、自尊心を傷つけられる出来事は、非常に大きなストレスとなります。
■職場への不適応
コンピューター化した職場に適応できない「テクノストレス」が、増加の一途をたどっています。
コンピューターに対する恐怖心をもつテクノ不安症と
逆にコンピューターにのめり込むテクノ依存症があります。
テクノ依存症は急激に増えています。
病気の知識 〜ストレスによる心の病〜
ストレスによる心の病の症状は、主に、不安障害、気分障害があります。
■不安障害
不安感が病的になることをいいます。
不安は、誰もがもつ、当たり前の感情ですが、不安障害では、普段から漠然とした不安感があり、心配し過ぎて緊張したり、不安を過ぎて恐怖を感じるようになります。
なかには、ある日突然に不安感が極度に高まり、胸が苦しくなったり、心臓がドキドキするといった不安症状が急に現れることがあります。これを、パニック障害といいます。
一度パニック障害の発作を起こした人は、またいつか発作が起こるかと心配し、それが引き金になりストレスがたまります。
本来は不安障害は、ストレスとは無関係ですが、不安の蓄積がストレスを感じ、さらに不安を感じて症状の悪化を引き起こす、悪循環になります。
■気分障害
気分障害の代表的なものに、
そううつ病と抑うつ性障害があります。
そううつ病:気分が高ぶりすぎる そう状態と、憂鬱な気分になるうつ状態を繰り返します。
抑うつ性障害:不眠や食欲不振などの身体症状を伴い、無気力で憂鬱な気分が続いたり、物事に興味がなくなるなどの精神症状が現れます。
朝に症状が強く、夕方から夜に軽くなるという特徴があります。
また、季節や時期など、あるサイクルで症状が現れるという特徴もあります。
抑うつ性障害になりやすいタイプは、真面目で几帳面、仕事熱心な人に多い、優秀な人がなりやすい。
こういうタイプは、環境が変化したときには、気分転換やストレス解消を心がけ、ゆっくり休養することが必要です。
■心の病に漢方薬
東洋医学では、心の乱れは体の乱れ、体の乱れは心の乱れと考えています。
漢方薬もこの視点にたち、心の病に有効なものがたくさんあります。
現代では、精神科を受診している方が多くみられますが、漢方薬との併用で、症状の緩和に大きく貢献しています。
漢方相談室 〜不眠と睡眠薬〜
【ご相談内容】
5年前に肝炎のため入院した時から、夜なかなか眠れなくなりました。
退院した後に、睡眠導入剤を処方してもらい、現在も毎日服用しています。
現在は、薬がないと眠れません。そこで病院に、
「このまま睡眠薬を飲み続けても大丈夫ですか?」と質問したところ、
「必要な場合はやむをえないが、しばらくはつらいかもしれませんが、少しずつ減量してみましょう」
となりました。
ところがいざ取り組んでみると、自分に甘いせいもあってなかなか減量がすすみません。
そこで漢方薬で、なにかないかと思いつき、問い合わせました。
【回答】
不眠症の改善に助けになる漢方薬はあります。
睡眠剤と違い、漢方薬は不眠が起こる根本原因にまで効果があります。
相談内容で、肝炎の後からの不眠とあります。
漢方の視点からすると、肝の病から起こる不眠があります。
ですので、ただ睡眠薬で強引に眠っても、原因が除かれない限り、不眠は続く可能性はあります。
精神的なことなのではと、とらえる見方もありますが、精神的なことも、肝の病から起こる場合があり、漢方薬の心と体の両方を改善する効果で改善できます。
根本からときくと、長い年月がかかると想像しますが、早い方ですと当日〜2週間位で効果が現れることがあります。
ただ、新薬の脳を抑制する力は強力で、それに慣れた体は、急に中止すると反動で一時不眠が起こる場合がありますので、しばらくは漢方薬と併用しながら、新薬を徐々に減量してください。
*リバウンドは、睡眠剤の効果持続時間などによっても異なりますので、かかりつけの病院で相談してみてください。
不登校に漢方薬!!
不登校は、心と体の双方が疲れ果てたときに起こる現象です。
心だけでなく、体にも障害が起きていることが、最近の研究で明らかになってきました。
不登校の子どもは、脳血流の低下をはじめ、ホルモンの分泌や体温リズムにも変化が起こっているのです。
不登校の子どもたちが年々増加しています。
ところが、不登校には誤解が多いのです。
学校に行かないのは、怠けているからだという認識も誤解の一つです。
こうした中、子どもは周囲から責められ、自分までも責めてしまいます。
不登校の子どもたちの多くは、学校に行きたいと思っているそうです。
しかし、どうしても行くことができなのです。
子どもたちが学校に行けないのには、原因があります。
脳の機能が疲労のため、一定レベルを保てなくなっているからなのです。
脳が疲労困ぱいしますと、精神症状や身体症状が現れ、その一つとして学校に行くことができないという症状が現れてくるのです。
脳が疲労するのは、現代の環境が、常に不安や興奮をあおる状態であるためです。
がんばらなければならない、人間関係、休みない勉強・部活といった、ハードな環境が、心身ともに疲れきってしまうのです。
ただ不登校には、かかりやすいタイプがあるようです。
・周囲の人に気配りする感受性の強いタイプ
・細かいことも先回りして心配してしまうタイプ
この二つが、該当します。
いったん脳が、心が、疲労困ぱいの状態になると、脳は学校へ行くこと回避する指令を出し始めます。
これは、休んで、疲労を回復しようとする、防衛反応なのです。
こうした防御反応が出現することにより以下の体内変化がみられるようになります。
1)自律神経の障害
・元気が無い
・集中力がない
2)睡眠のサイクルの乱れ
・朝はぐったり、夜は元気 である。
3)エネルギー代謝の障害
・エネルギーをつくりにくくなっているため、
すぐ疲れる、疲れが取れない などの症状が出現。
4)うつ状態
不登校の半数の子どもに、うつ症状がみられます。
そのため、生きているのがおもしろくないといった訴えが多くなります。
以上のような症状が、子どもにみられた場合、まずは病院を受診して、診断をあおいでください。
現代医学の治療を施しても、改善が見られない場合は、漢方薬を検討してみることをおすすめいたします。
漢方薬は、現代医学よりも2千年前から、心と体を一体として考え治療してきました。
現代日本においては、漢方薬は、現代医学の補助的位置として認識されています。
そんな中、先日不登校のお子さんを、漢方薬一本で回復することができました。
漢方薬を専門としている私たちとしては、漢方薬一本でもかなりの、不登校の子どもにみられる苦痛症状を改善できうると、秘かに自負しております。
がしかし、重篤な病気が潜んでいてはいけませんので、まずは現代医学の検査などを受けられることを、お話しております。