7 血液の病気
鉄欠乏性貧血
漢方相談室〜静脈血栓症〜
漢方治療 〜鉄欠乏性貧血〜
【貧血】
貧血とは、血液中の赤血球の数が減少したり、赤血球の中に含まれるヘモグロビンが減少した状態をいいます。
そうした状態は、体のあちこちが酸素不足になります。
全身の組織や細胞は、酸素を使ってエネルギーを生み出しています。
そのため、酸素不足になると様々な症状が現れてきます。
貧血の主な症状
・疲れやすい
・だるい
・頭重
・頭がぼんやりする
・冷え性
・動悸・息切れ
貧血には、いくつか種類がありますが、もっとも頻度の高い貧血は、鉄欠乏性貧血です。
鉄欠乏性貧血は女性に多くみられます。
健康な女性でも、鉄不足の方が60%にものぼるという報告もあります。
つぎに、最も多い鉄欠乏性貧血の治療について取り上げます。
【鉄欠乏性貧血の治療】
《西洋医学》
鉄剤の投与。*胃腸障害がひどい場合は、注射します。
貧血を起こす原因疾患がはっきりしていれば、そちらを優先。
【漢方薬】
なぜ貧血を起こすのかを、漢方的視点で判断します。
そして、患者さん一人一人の症状に応じて、漢方薬を服用します。
【タイプ別漢方治療】
西洋治療が適応しない方も大丈夫です。
1)吸収力の低下タイプ:四君子湯、補中益気湯、帰脾湯など
2)衰弱・乾燥タイプ:八珍湯、十全大補湯、人参養栄湯など
漢方相談室 〜静脈血栓症〜
【相談内容:下肢の静脈血栓症の痛みをとる方法はありますか?】
10年前より、「足がだるい、重い、痛む」などの症状があり、いくつかの病院で診てもらいましたが、「筋肉痛」「関節炎」と診断を受け、湿布薬を処方されました。
しかし、次第に症状は悪化し、8年が過ぎた頃、血管造影検査を受けたところ、足の「静脈血栓症」とわかりました。
かなり進行しているので、手術はできないとのことで、かろうじて残っている正常な血管が詰まるのを防ぐ薬を処方してもらいました。
1年位新薬を服用し、やや「だるさ」「重苦しい感じ」は軽減しましたが、鈍痛は依然と変わりません。
病院からは、「一生つきあっていくしかありません」と言われていますが、長い時間外出したときなどは「足をとってしまいたい」くらい痛くなります。
この痛みを緩和する漢方薬はないものでしょうか?
【回答】
痛みを緩和する漢方薬はあります。
かなり進行しているようですが、改善の可能性は十分にあります。
効果発現までにどれくらいかかるかは、断言できませんが、早い方だと2週間位で効果が現れる場合があります。
この場合の漢方薬は、駆?血薬『くおけつやく』を中心に、患者さんの体質などを考慮していきます。
*駆?血薬:古血を浄化する働きがある生薬のこと。
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