病気の知識〜甲状腺の病気〜
病気の知識〜高血圧症〜
【高血圧症】
高血圧症とは、繰り返して血圧を測定しても高血圧の状態が続いていることをいい、ストレスなどによる一時的な血圧上昇は高血圧症ではありません。
病院で血圧を測ってもらうときだけ血圧が高くなるときは、白衣高血圧と呼ばれています。
高血圧は、腎臓病、甲状腺機能亢進症など、色々な病気で発症することもありますが、そのほとんどははっきりした原因がなく発症したものです。
原因のはっきりしない血圧を、本態性高血圧症といいます。
高血圧の90%を占めます。
■誘因
・食塩の過剰摂取(20g以上)
・肥満
・アルコール過多
・ストレス
・運動不足
■症状
ほとんど自覚はありません。
健康診断でわかる場合が多い。
■診断
最大血圧:160mmHg以上
最小血圧:95mmHg以上 一方または両方
■治療
[西洋医学]
・高血圧を引き起こす原因疾患があればそれを治療
・一般療法:食事・運動療法
・薬物療法:降圧剤
[漢方]
体質に合わせた漢方薬を服用。
必ずしも降圧作用のある薬を飲まなくても、改善するのが漢方薬の妙。
低血圧・漢方療法
最高血圧が100mmHg以下の人を低血圧と呼びますが、高血圧症と同じように原因のわからないものがほとんどです。
低血圧症は、高血圧症と違って、心配されるほどの危険はない病気です。
しかし、疲れやすく、倦怠感が残り、頭痛、めまいが起こるといった症状を呈し、本人にとっては大変苦しいものです。
漢方では、低血圧を治療する場合、全身状態の調整を考え、時に、胃腸を中心とした消化機能の衰えを治すことをポイントとして症状の改善をはかります。
高血圧・漢方療法
普通、高血圧症とは、最低血圧90mmHg、最高血圧140mmHgを超えるものをいい、どちらか一方が高い場合も高血圧症とされます。
しかし、なぜ高血圧になるかという問題は、いまだ解決されていません。ただ、ある病気(たとえば腎疾患)などによって、二次的に血圧が上がるものは臨床的に解決されています。現実には、高血圧の大部分は、原因のわからないものが多く(本態性高血圧)、その治療法も決定的なものがありません。
漢方では、高血圧に伴う症状(頭重、肩こり、耳鳴り、めまいなど)と、その人の体質などによって処方を決め、その症状の原因を根本的に改善することによって治していきます。
したがって、新薬のように、必要以上に血圧を下げることもなく、連用しても副作用がないといった優れた面を持ちます。
[参考]高血圧の食事療法・民間療法
高血圧症の著効例
普通、高血圧症とは、最低血圧90mmHg、最高血圧140mmHgを超えるものをいい、どちらか一方が高い場合も高血圧症とされます。
しかし、なぜ高血圧になるかという問題は、いまだ解決されていません。ただ、ある病気(たとえば腎疾患)などによって、二次的に血圧が上がるものは臨床的に解決されています。現実には、高血圧の大部分は、原因のわからないものが多く(本態性高血圧)、その治療法も決定的なものがありません。
漢方では、高血圧に伴う症状(頭重、肩こり、耳鳴り、めまいなど)と、その人の体質などによって処方を決め、その症状の原因を根本的に改善することによって治していきます。
したがって、新薬のように、必要以上に血圧を下げることもなく、連用しても副作用がないといった優れた面を持ちます。
以下に、当堂に、「高血圧」でご相談され、漢方薬が著効した症例を紹介致します。
<症例> 高血圧 (180mmHg/100mmHg)
<患者> 64才、女性
<症状> 耳鳴り、首の筋のこり、血圧は朝が高い
<治療経過>自家製漢方薬の釣藤散を用いたところ、10日後に158mmHg/90mmHgへ下がり著明な効果がみられた。
その後、寒くなり少し高くなることもあるが、安定しているとのこと。
[参考]高血圧の食事療法・民間療法
病気の知識〜糖尿病〜
【糖尿病】
糖尿病は、かなり進行するまで、はっきりした自覚症状があらわれません。
早期発見には、検査が大切になります。
肥満気味の人、家族や親類に糖尿病の人がいる人などは、糖尿病にかかるリスクが高いので、定期的な検査が大切です。
糖尿病は、食物から消化・吸収された糖質(=ブドウ糖)が、体内で有効活用されないために、血液中にブドウ糖(=血糖)が増えてしまう病気です。
こうした高血糖の状態が継続すると、血管や神経が障害され、目の網膜や腎臓をはじめ、全身に合併症を起こしてきます。
■ブドウ糖の働き
ブドウ糖は、体にとってエネルギーになります。
食べ物に含まれる糖質は、十二指腸でブドウ糖に消化されて吸収されます。
そして門脈を通って、肝臓に送られ、一部がグリコーゲンとして肝臓に蓄えられ、残りは血液に混じって筋肉など、全身の細胞に運ばれていきます。
その際、血液中のブドウ糖が上昇すると、膵臓のランゲルハンス島のベータ細胞からインスリンが分泌され、血液中のブドウ糖は筋肉や各組織へと取り込まれていきます。
このインスリンが分泌されないか、不足すると、ブドウ糖が有効活用されずに、血液中にたくさんあふれてしまいます。
*人間は高血糖に弱い
私たちのからだは、エネルギー源の多くを血液中のブドウ糖に頼っています。
そのため、血糖値が一定レベル以下にならないようにする仕組みがあります。
その証拠として、インスリン以外のホルモンのほとんどは血糖を上昇させるように働きます。
これに対して、血糖を下げる仕組みは、インスリンと排尿しかありません。
このように人間は、血糖を下げる仕組みより、上げる仕組みの方が多いため、高血糖には対処しにくいのです。
もともと高血糖に対して備えがない上に、飽食、運動不足、ストレス過多といった、血糖を上げる環境要因が加わることで、高血糖が引き起こされ、糖尿病になるのです。
■血糖が高いと良くない理由
・高血糖が持続すると、動脈硬化の原因になります。
・細い血管や神経に障害が起こりやすくなります。
・網膜症、腎症、神経障害、動脈硬化などの合併症を引き起こす。
■合併症を防ぐことが大切
糖尿病は、高血糖によって引き起こされる合併症を予防することが重要です。
初期には自覚症状がないため忘れがちですが、合併症が起こる仕組みを理解することによって、血糖のコントロールの大切さがわかります。
病気の知識〜糖尿病の合併症〜
【網膜症】
糖尿病の合併症のなかでも、比較的早い段階から起こるのが、目の病気です。
糖尿病により起こる目の病気には、水晶体が濁る白内障がありますが、これはそれほど多くはなく、手術をすれば、治癒します。
もっとも注意が必要なのが、網膜症です。
はじめは自覚症状がないため、ある日突然に、出血や網膜剥離などを起こし、失明の危機に直面するということがあるのです。
早期発見、早期予防が大切です。
■網膜症が起こる仕組み
目の網膜には、毛細血管が張り巡らされています。
高血糖になると、酸素を運ぶヘモグロビンとブドウ糖が結合し、酸素を運ぶ効率が低下します。
その結果、網膜の血管が酸欠状態になり、そのために血管が頑張って酸素を多く取り入れたいために、拡張します。
拡張しつづけた結果、血管が弱くなり、血液成分がしみでたりします。その結果、血管に異常が起こり、網膜に障害されます。
また、酸欠を補うために、新しい血管が伸び始めます。この血管は新生血管といい、もろい性質をもっており、出血の原因になります。
そして、目の形を保つ硝子体が糖尿病のために縮小し、その際に新生血管ごと引っ張られ、硝子体を包む網膜がはがれてしまいます。
これが網膜剥離の原因になります。
【神経障害】
合併症のなかでも早期の段階から自覚症状が現れ、発生頻度がもっとも高いのが神経障害です。
■神経障害の起こる仕組み
神経には、脳と脊髄からなる中枢神経とそこから枝分かれした末梢神経があります。
末梢神経は、手足などの末梢部がキャッチした情報を脳に伝えます。また、脳の指令を末梢部に伝達する役割も果たしています。
糖尿病の神経障害は、主に末梢神経が侵されて起こります。
その原因が、高血糖です。
高血糖状態では、普段は身体の中にない糖分がたまるようになります。この糖分が細胞に溜まると、細胞が水ぶくれのようになります。
また血糖が高い神経細胞内で活性酸素が生じ、細胞を傷めます。
こうした異常が、神経障害を起こします。
さらに、先程も話しました、毛細血管の障害によっても末梢神経への酸素供給が不足します。神経の酸欠によって、神経障害がおこります。
■足の感覚をチェック
神経障害が進むと、感覚が鈍ってくるため、痛みを感じなくなってきます。感覚がないので、気がつかないのです。
神経障害が起きて、感覚が麻痺している方は、足に異常がないか、まめにチェックしましょう。
【腎症】
腎臓には、血液をろ過して、体に不要なものを尿として排泄する働きがあります。
このろ過の部分は、糸球体といい、毛細血管でできています。
この毛細血管が、高血糖のため障害されるのが、糖尿病性腎症です。
■腎症が起こる仕組み
高血糖で糖タンパクが形成され、このために腎の毛細血管の血流低下、そしてろ過する網目が粗くなるなどによって、充分なろ過機能が果たせなくなります。
■治療
[西洋医学]
血糖のコントロールに重点をおき、手術などで一時回復できるものは処置する。
[漢方]
血糖を安定する漢方薬と、合併症を予防改善する漢方薬を服用。
病気の知識〜甲状腺の病気〜
甲状腺に起こる病気の代表的なものに、甲状腺機能が低下する「橋本病」甲状腺機能が亢進する「バセドウ病」があります。
■甲状腺の働き
新陳代謝を調節、体温を調節するホルモンを分泌する。
甲状腺ホルモンは、「全身の細胞の新陳代謝を調節・促進する」、「体の熱産生を高める」という、重要な働きがあります。
いわば、体の元気を出すホルモンといえます。
特に小児にとっては、身体や知能の発達に欠かせません。
■甲状腺ホルモンの分泌の仕組み
脳の下垂体から、甲状腺ホルモンを分泌しなさいという指令をになったホルモンが分泌されます。そして、甲状腺に指令が伝わり、甲状腺から甲状腺ホルモンが分泌されます。
血液中に、一定量が分泌されると、指令が止みます。
こうして、甲状腺ホルモンの量は調節されています。
ところが免疫異常などにより、ホルモン調節が乱れ、甲状腺ホルモン減少や過剰などが起こります。
■橋本病
甲状腺の機能が著しく低下し、血中の甲状腺ホルモンが減少する。
この病気は、自分の甲状腺組織を異物とみなし、自己免疫で攻撃され、甲状腺の組織が破壊されるものです。
その結果、甲状腺ホルモンが十分に分泌されず、様々な症状が起こってきます。
【症状】
典型的なものは、甲状腺のはれです。
のどの部分に、蝶が羽を広げたような形の腫れが生じるのが特徴です。
橋本病の患者さんの9割は、この腫れのみで、特に症状はでません。残りの1割の方が、病気が進行して、甲状腺機能低下の症状が現れるようになります。
甲状腺機能の低下が起こると、細胞の新陳代謝を促進する甲状腺ホルモンが分泌されなくなるため、全体的に年齢よりも老けた感じみえます。
■バセドウ病
甲状腺の機能が亢進し、甲状腺ホルモンの分泌が過剰になる。
バセドウ病は、橋本病とは逆に、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。
これも免疫異常により、甲状腺を刺激する物質が作られ、脳が指令していなくても、頻繁に甲状腺ホルモンが分泌されるようになります。
【症状】
これも、甲状腺のはれを起こします。
そして、甲状腺機能亢進症の症状もみられます。
すると、体が全力疾走しているような状態になります。
そして、エネルギー消費を高まり、たくさん食べてもやせます。
患者さんの約3割に、眼球が前方に突き出てくる眼球突出がみられます。
■治療
[西洋医学]
橋本病の場合、機能低下の症状がある場合は、甲状腺ホルモンの補充を行います。
バセドウ病の場合は、甲状腺ホルモンを抑制する薬物を服用します。
[漢方]
症状に応じた漢方薬を服用します。
完治するのも、少なくありません。